お元気ですか? 苺です!
苺(いちご)と書いて苺(まい)と読みます。
脂質とは
ダイエットの大敵というイメージを持たれがちですが、脂質も人間の身体になくてはならない栄養素です。
脂質のうち、動物や植物にたくわえられている中性脂肪を「脂肪」とよんでいます。
食べ物からとった脂肪はエネルギー源として燃焼され、使われなかった脂肪は食べ物が不足した時にエネルギーを供給し、寒い時には熱量を保持する役割も果たします。
脂質は1gあたりのエネルギーが9㎉で、糖質・たんぱく質の2倍以上に相当します。少量で多くのエネルギーが得られる効率のいいエネルギー源ですが、摂りすぎは肥満につながります。
脂質はホルモンや細胞膜の材料になるほか、脂質性ビタミンであるA・D・E・Kの吸収・貯蔵や神経のはたらきなどにも関わっています。
脂質のはたらき
- 最も大きなエネルギー源となります。即戦力のエネルギー源は糖質で、脂質はそのあとに働くスペア用です。
- 体脂肪としてたくわえられることにより、熱が逃げるのを防いで体温を平熱にたもつ働きをします。
- 植物性脂肪・魚の脂肪にふくまれる不飽和脂肪酸によって、血管壁にコレステロールがたまるのを防ぎ、動脈硬化・脳卒中を予防する。
- 脂肪に含まれるコレステロールは、細胞膜の原料や脂肪の消化に必要な胆汁の原料となり、副腎皮質ホルモン・性ホルモンを作るはたらきもあります。
- 脂溶性ビタミンの吸収を助ける。
- 外の衝撃から内臓を守るクッションの役割もしています。
脂質が不足すると?
- 脂溶性のビタミンAの吸収が悪くなるため、視力が低下したり口内炎などができやすくなる。
- ビタミンDの吸収が悪くなるため、骨粗しょう症になりやすく出血もしやすくなる。
- エネルギー不足による全身の疲労がおこる。
- 全身の皮膚がカサついたり、乾燥しやすくなる。
- キズの治りが遅くなる。
油ってたくさんの種類があるけど、ふだんよく口にしている油はなに?
油の種類なんてあんまり気にしたことないなぁ~
油の種類一覧
脂肪は脂肪酸という物質からできています。脂肪酸には、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があります。
飽和脂肪酸
体内でコレステロールをつくる材料になります。
コレステロールって身体に悪い物質だよね?
ちがいます。
コレステロールは細胞膜を形成したり、胆汁酸(たんじゅうさん)・ビタミンD・ホルモンをつくったりする重要な働きをもっていて、なくてはならないものなんです。
ですが血液中のコレステロールが増えすぎると、動脈硬化を進行させたり心筋梗塞などをひき起こす誘因となります。
増えすぎるとダメってことね!
バター・ラード・ヘット・牛豚の脂身・ココナッツオイル・パーム油
動物性のものが多く、常温で固体のものが多い。
不飽和脂肪酸
血液中のコレステロールを減らすはたらきがあります。
多価不飽和脂肪酸[オメガ3]
必須脂肪酸:体内で作れない
αリノレン酸・EPA(エイコサペンタエン酸)・DHA(ドコサヘキサエン酸)
アマニ油・エゴマ油・魚の油
血栓を予防する働きがあります。
多価不飽和脂肪酸[オメガ6]
必須脂肪酸:体内で作れない
リノール酸・γ(ガンマ)‐リノレン酸・アラキドン酸
リノール酸があれば、体内でほかの必須脂肪酸を合成できます。でもリノール酸も摂りすぎると、血栓をつくる要因となります。
コーン油・大豆油・綿実油・グレープシードオイル・くるみ油・アーモンド油・ごま油・ヒマワリ油
一価不飽和脂肪酸[オメガ9]
オレイン酸
オリーブ油・なたね油・べに花油・米油・落花生油・ごま油・ヒマワリ油
トランス脂肪酸
マーガリン・ファットスプレッド・ショートニング・牛ヒツジ肉の油
いい油・悪い油
動物性脂肪には血管を強くする脂肪酸もあるので、植物性脂肪は健康によく動物性脂肪はよくないとは言えません。
進んでとりたいαリノレン酸
αリノレン酸はオメガ3脂肪酸の分類です。
アマニ油・エゴマ油には、αリノレン酸が60%ほどふくまれていてオメガ3の代表選手です。
そして熱すると栄養分がこわれてしまいますので、揚げ油や炒め用油にはしないでください。
チョイかけするのがベストです。
青魚(イワシ・アジ・サバ)の油もαリノレン酸が豊富で、体内に入るとDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)にかわります。
できれば週に2~3回新鮮な青魚を食べましょう。
とりすぎに注意!リノール酸
リノール酸は、オメガ6脂肪酸の分類です。
コーン油・大豆油・ごま油は、サラダ油や天ぷら油などに使用されるので、一番身近な存在ではないでしょうか?
リノール酸は体内で作れない必須脂肪酸ですが、摂りすぎる傾向にあるので、いかに摂りすぎないようにするかを気にした方がいいでしょう。
オメガ3:オメガ6 = 1:1~4 が望ましいが、現代の食事ではオメガ3はなかなか摂取できないためオメガ6に傾いている人が多い。
オメガ6が多くなると体内の炎症が促進してアレルギーが出やすくなります。一方オメガ3は体内の炎症をやわらげ、アレルギー症状をおだやかにするよう働きます。
昔の食生活では青魚や海藻類が多く並んでいたため、オメガ3が不足することはありませんでした。
適度にとりたいオレイン酸
オレイン酸は、オメガ9脂肪酸の分類です。
オメガ6のリノール酸よりも、オメガ9のオレイン酸の方がおススメですので、揚げ油をなたね油(キャノーラ油)100%のものか、オリーブ油にするのもイイのではないでしょうか?
米油・べに花油(サフラワー油)も揚げ油としておススメです。
ただし油は、熱するたびに酸化します。どんなにイイ油を使っても、何度も揚げ物用に使っていると、過酸化脂質という身体によくない物質が発生するので、3~4回使用したら廃棄するようにしましょう。
ひかえたい飽和脂肪酸
ココナッツオイルだけは、中鎖脂肪酸という違った構造をもっていますので、少しおススメしたいオイルです。ダイエットにもイイですよ。
ただし少量にとどめておきましょう。値段も高価ですので、ご注意ください。
バターやラードも使い方によっては、料理をおいしくしますので、ピンポイントで上手に使いましょう。
古くなると身体によくありませんので、少量買いで短期間に消費しましょう。
牛肉・豚肉は脂以外で必要な栄養素がつまっていますので、まったく食べないのはよくありません。
とらないで!トランス脂肪酸
トランス脂肪酸は、前述の4つとは分類が違うのですが、「摂って欲しくない脂肪」として取り上げました。
トランス脂肪酸を多く摂ると…
- 体内の炎症をまねき、不調の原因になる
- 代謝が低下して、ダイエットによくない
- 悪玉コレステロール(LDL)が増えて、善玉コレステロール(HDL)が減る
- 心臓病のリスクが高まる
トランス脂肪酸は、製造過程で発生してしまうものがあります。それが、マーガリン・ファットスプレッド・ショートニングです。最近マーガリンよりもバターが勧められるのはこのためです。
またどの油も、熱を加えると酸化してトランス脂肪酸が発生します。揚げ油をなんども使わないようおススメするのはこのためです。
揚げ物は高い温度で長時間使用するほど、酸化が早まります。
油は古くなることによっても酸化し、トランス脂肪酸が発生します。光にあたっても(蛍光灯にあたっても)酸化しますので、遮光したビン(色のついたビン)に入っている商品を選びましょう。
さらにちょっとショックですが、ポテトチップスなどのスナック菓子やカップヌードルにもトランス脂肪酸が含まれています。原材料に「植物油」などと表記されているのがそれです。
出来合いの惣菜揚げ物にもトランス脂肪酸が含まれていると思ってください。揚げてから時間がたっているものは、さらに注意が必要です。
好きなものばっかりだ…
そうなんです。トランス脂肪酸って、美味しいもの・便利なものに含まれていることが多いんです(^▽^;)