お元気ですか? 苺です!
苺(いちご)と書いて苺(まい)と読みます。
魚の買い方
魚は農薬や添加物と無関係のようですが、そうでもありません。
えっ⁉どゆこと?
まず国産の魚は、魚が獲れた水域を原産地として表示しなければなりません。
千葉県沖で獲れたら「千葉県産」となります。
ん!安全!
養殖の場合は、養殖場がある都道府県が原産地になり、輸入されてくるものは、水揚げされた国が表示されます。
ん!安全!
刺身の買い方
刺身はほとんどパック売りです。
ある程度のかたまり、いわゆるサクで売られていると、「生鮮品」扱いになりますが、きれいに切って盛った「刺身の盛り合わせ」になると「加工品」扱いになります。
加工品には食品添加物の使用が認められているので、アミノ酸・防腐剤などが使われることがあります。
来た!なんかヤバい…
もちろん理由はあります。切って盛った刺身の方が、菌が付着する可能性が高いから。
だからサク状態で買って家で切ると、添加物の心配はありません。
たま~に新鮮な丸ごと1匹の魚が売られていたら「自分でさばけたらな~」って思うよね
今はスーパーの鮮魚売り場でも、魚をさばくサービスはだいたいあるので、サクにしてもらえば待ち時間も少なくて済むし、安全性の面からもオススメです。
ちなみに刺身パックについている「刺身のつま」(大葉やケンと呼ばれる大根などの千切り)は100%薬品で殺菌されているので、気になる人は食べないでおきましょう。
スーパーでチェックすべきは端材
魚の端材(はざい)とは、切り身をつくる際に出る切り落としや、アラのこと。
タラやサケの切り落としは汁物の具になるし、タイの頭はイイおだしが出ます。
加熱用として売られているマグロ・カツオの血合い部分は、鉄分たっぷりなのでぜひ利用していただきたいものです。
生姜やニンニクと煮れば気になるにおいも消えますよ。
ふつうは捨てる部分なので、良心的な店なら安いはずです。
魚を煮るときは野菜・豆腐と一緒に
煮魚の煮汁には、魚の栄要素が溶け出しているので、煮汁をあますところなく使うのがBest!
魚に火が通ったところで野菜や豆腐を投入。煮汁がたっぷりしみ込んだ野菜・豆腐で魚の栄養素も丸ごと吸収できます。
「ぶり大根」のアレンジメニューを作ってみましょう。
野菜・豆腐は大量に入れると別料理になってしまうので、添え物程度の量でOKです。
真アジ VS 丸アジ
東と西とでは、流通しているアジの種類が違います。
関東では千葉県銚子沖でとれる真アジが主流。
関西では和歌山県近海でとれる丸アジも流通しています。
味に大差はありませんが、さばいたときに白っぽい身が真アジで血合いの多いのが丸アジです。
大きな違いは旬です。真アジの旬は夏で、丸アジは冬。
旬のアジは脂がのっておいしいので、いつが旬なのか?頭に入れておきましょう。
魚の生ゴミ
魚の生ゴミって、においがとても気になりますよね。
気になりだすと、生ゴミの日まで待ってられません。
そんな時はゴミを冷凍してしまうと、においはおさえられます。
二重の袋にゴミを入れ、さらにタッパーなどで密封して冷凍庫へ。
ただし「生ゴミの日」に出すのを忘れないように…
魚のあれこれ
フカ
フカヒレと言えば中華料理ですが、フカヒレスープはタイのトムヤムクン・フランスのブイヤベースとともに、世界の三大スープと言われています。
つい最近まで日本が世界一のフカヒレ輸出国だったことを知る人は少ないでしょう。
日本でフカヒレってしっくり来ないけど、どうして漁獲量が多かったんだろう?
マグロのはえ縄漁と関係しています
答え!遠洋に出かけマグロを獲ろうと思って投入した網に、サメがしばしばかかるんです。
乗組員たちはサメのヒレだけを切り取って、残りは海に捨ててしまいます。
なぜならサメの肉はマグロに比べると、ただ同然の値段にしかならないから。
安い肉を冷凍庫に入れて、はるばる日本にまで持ち帰っても、採算が合いません。
さらにせっかくかかったマグロにサメが食いつき、傷物にしてしまう可能性もあります。
ヒレしか値打ちがないのか…
ヒレは中華料理の高級食材として高値で売れるので、マグロ漁船乗組員の臨時収入になります。
ところが近年、日本のフカヒレの輸出量は減ってきています。その理由は二つ。
一つは、日本国内で消費されるフカヒレの量が増えたこと。
もう一つは、最近のマグロ船の乗組員が日本人ではなく、ペルー人・インドネシア人に代わったこと。
彼らはシンガポールやハワイで下船してフカヒレを売りさばくため、日本の港まで持ち帰るフカヒレの量が減っているんです。
骨なし魚ってどうやって骨を抜いている?
魚嫌いの人が魚を嫌う理由の一つに、骨が多くて面倒というのがあります。
魚の骨抜き作業ってどんなふうにやってるのかな?
「骨なし魚」はもともと病院食として開発されたものです。
入院患者が手間をかけずに安全に食べられるようにと、1998年(平成10年)冷凍食品加工メーカーが「骨なしタチウオ」を発売したのがはじまり。
すると給食用やレストラン用・弁当用にと注文が殺到し、あっという間にヒット商品となりました。
ところで魚の骨を取り除くのって、なかなか厄介ですよね?生産現場ではどうやってたくさんの小骨を取り除いているのでしょう?
答え!ピンセットで一つ一つ抜いている!
そんな細かい作業をしているのが、タイ・ベトナム・中国の女性たちです。
手先が器用な彼女たちは、1尾あたり4分ほどできれいに抜き取ってしまいます。
現在ではタチウオの他にたくさんの種類が骨なし魚として売られています。
中でも骨抜きが一番むずかしいのは鮭で、ほかの魚にはあまりない「上神経骨(じょうしんけいこつ)」が手間なんだそう。
これ鮭の体の断面図なんですが…(^▽^;)
さらに小骨が途中で折れると身の中に潜り込み、指先でさぐっても簡単にはみつけられないという苦労もあるそうです。
魚にちなんで…
まい「猫またぎ」って言葉知ってる?
2つの意味があります。
- 魚好きの猫が食べずに、またいで通ってしまうほどマズイ魚のこと。
- 猫が食べるところがないほど身をきれいに食べて、魚の骨だけが残っている状態。
サンマが秋に美味しくなる理由
北で獲れるものほど脂がのっている
海に囲まれた日本では、昔からたくさんの種類の魚介類が食べられてきました。
日本の近海には南からくる暖流と北からくる寒流が流れていて、暖流と寒流がぶつかるところは「潮目(しおめ)」と呼ばれ、よい漁場となるためです。
潮目には魚のえさとなるプランクトンや小魚が豊富で、大きな魚が集まってきます。
海流に乗って日本近海までくる回遊魚もいます。
サンマも回遊魚で、暖流に乗って北上してきます
サンマが日本近海に現れるのは6月あたりですが、身がパサパサで食べても美味しくありません。
6月ごろ日本近海まで来たサンマは、北海道の東沖に進みオキアミをたっぷり食べます。
この海域のオキアミは体長8~9mmで、南方の2~3mmのプランクトンに比べてはるかに大きい。しかもたっぷり脂を含んでいます。
ジャンボオキアミをたっぷり食べたサンマが、9~10月にかけて北海道沖で獲れます。
脂がよく乗っていて、塩焼きにすると最高の味になるというわけ。だから北海道のサンマは「秋の味覚の王者」と言われるんです。
ところが北海道からなんかするにしたがって、脂の乗りが悪くなっていきます。
北海道沖で獲れるサンマに含まれる脂は20%ほどだが、11月ごろ三陸沖で獲れるサンマは約10%と半減します。
もっと南下して銚子沖に姿をあらわす12月ごろには、約5%とさらに半減。
脂の少ないサンマは、刺身・酢締め・かば焼き・みりん干しなどで美味しく食べられます。
昔よりも塩辛くなった?
「さんま さんま さんま苦いか しょっぱいか」佐藤春夫の詩の一節です。
ハラワタのほろ苦さや、塩焼のしょっぱい美味しさを表現したものです。
ですが最近のサンマは、ひと塩する前からすでに塩辛い!
ど~して?
答え!サンマの見た目・鮮度を保つため!
サンマは塩水に漬けていないと、青みのある皮が白っぽく変色して見た目が悪くなってしまうんです
サンマ漁船は、網にかかったサンマを海水・氷とともに魚槽(ぎょそう)に入れます。
加工工場の魚槽タンクでも、海水と同じ濃さの塩水に入れられ、出荷の際にも氷とともに塩が振り込まれます。
流通過程で塩がたっぷりしみ込んだサンマを、家庭で塩焼きにすると…
辛すぎるわけだわ~
サンマのはらわたは、ほろ苦くて大人の珍味と言われているけど…最近味が落ちているそうな…
原因はサンマ漁法が変わったから
昔はサンマが少しずつ網にかかる「刺し網漁」だったのが、今は一度に大量にすくい上げる漁法になりました。
そのため網の中でサンマが押し合いへし合いして落ちたウロコを飲み込んでしまい、はらわたにウロコがつまって味が落ちてしまっています。
大衆魚だったイワシ
イワシと言えば大衆魚の代表的存在でした。しかし平成になってからマイワシの漁獲量は減る一方で、貴重な魚となってしまいました。
漁獲量が少なくなったとは言っても、イワシの値段はあまり上がっていません。トロと同じお金を払ってまでイワシを食べようという人なんていませんょね。
高級料亭や高級寿司屋で使われている「高額イワシ」は特に新鮮なものに限られ、そうでないものはセリの途中でも値段がドンドン下がり半額まで落ちることもあるそうです。
なぜなら「鰯」という漢字が魚偏に弱いと書くことからもわかるように、とてもいたみやすい魚なんです。消費者の手に渡るころには、かなり限界が近づいています。
もともとマイワシは漁獲量の1~2割が食用で、残りは養殖魚のエサや魚油などの加工原料とされています。水揚量が減っても食用が不足する状態にはならないんです。
だからたくさん仕入れようとしないし、セリ残したくないので…安く競り落とされるというわけ。
養殖すれば安定するんじゃないの?
弱い魚なので、養殖するには大きなイケスや高い技術力が必要となりますが、その割には取引値が高くないので事業として成り立ちません。
クロマグロの完全養殖
日本人ってマグロが好きですよね。刺身と言えばマグロ、高級魚と言えばトロといった具合に。
日本以外でもマグロの需要が高まっているのに、世界中からマグロを買い占めてヒンシュクを買っていたこともありました。
そこで誰もが考えるのがマグロの養殖です。
網にかかった小型のクロマグロをイケスで育てたり、天然稚魚を獲ってきて養殖する「半養殖」は早くから行われていましたが、目指しているのは漁獲量にたよらない「完全養殖」です。
「完全養殖」とは、人工孵化(ふか)から育った親魚が生んだ卵を再び孵化(ふか)させるというものです
マグロって丈夫そうだから、養殖も簡単にできるイメージだけど?
天然のマグロの成魚は時速160キロで泳ぐといわれるが、養殖中の稚魚も結構なスピードで泳ぎまわります。
そのスピードのままイケスの網や柱に激突し、首の骨を折るなどしてほとんどが死んでしまうんです。
マグロの稚魚はとても繊細で、船のエンジン音や水の濁りでもパニックに陥り、逃げ回ります。
また稚魚は皮膚が極端に弱く、手でさわるだけで死んでしまったり、共食いすることも多い。
様々な問題点をクリアしつつ3代目が孵化(ふか)するところまでこぎつけていますが、ビジネスとして成立させるにはもっともっと高い生存率が必要です。
大学での研究も進められていて、成果に期待が高まります。
アンコウも養殖にはむかない
アンコウと言えば茨城県が有名ですが、山口県の下関漁港でも多くの漁獲量があります。
アンコウは水深200mを超える海底にすんでいる深海魚なので、養殖には向きません。
コストがかかりすぎて、今よりも高価になっちゃうんだ!
アンコウは水族館で飼育されていますが、なかなか気難しい魚だそうです。
エサをあまり食べれくれず、口に押し込んでも飲み込まずそのまま口の中で腐ることさえあるといいます。
確かにガンコだゎ…