お元気ですか? 苺です!
苺(いちご)と書いて苺(まい)と読みます。
納豆は、大豆を納豆菌によって発酵させた日本の発酵食品です。糸引き納豆ともいいます。
関西より、関東の方がなじみが深いようですが、関西でも好きな人はたくさんいます。
ネバネバ食材は身体にイイと言われますが、更年期の健康に関してなにかイイ事があるのでしょうか?

納豆って安いからうれしい~
納豆の産地
茨城県
納豆といえば茨城県水戸市の水戸納豆ですが、これは明治22年に笹沼清左衛門という人が、水戸市で納豆事業をおこして成功をおさめたのがはじまりです。
「水戸の小粒納豆」は茨城県の名産品になっています。納豆の全国消費量も毎年上位にランクしています。毎年3月10日(水戸の日)には、「納豆の早食い大会」が開催されています。
福島県
納豆消費量が日本一の県です。
1位の理由がよくわからないそうですが、小学校の給食で2週間に1回は納豆が出されています。これだけでも相当な数を消費しますが、幼少から納豆に食べなじんでいるのも消費量日本一の理由ではないでしょうか?
納豆の事を「嫌い」「くさい」と言うと、珍しがられるそうですよ。
秋田県
秋田県横手市の金澤公園には、納豆発祥の地とされる碑がたっています。
秋田音頭に「桧山納豆(ひやまなっとう)」が名物と歌われていて、秋田県でも納豆は名産になっています。
秋田県では、納豆に砂糖をかけて食べます。少し変わったように見えますが、納豆に砂糖をかけて混ぜると粘りが増しておいしくなります。そのため市販の納豆についている醤油のほとんどが塩分をおさえて、砂糖を多めに入れています。
熊本県
全国展開している納豆製造会社が2つ[マルキン食品・丸美屋]あり、スーパーでもたくさんの納豆が売られています。
納豆消費量も西日本では上位にランクしています。

いまや東京周辺だけのものじゃないんだね
納豆ってどうやって作ってるの?
納豆ならではの大豆のうまみとネバネバは、どうやって引き出されているんでしょう?
「蒸煮(じょうしゃ)」「発酵」「熟成」
納豆の製造には、大きく「蒸煮」「発酵」「熟成」という3つの工程があります。
「蒸煮(じょうしゃ)」
大豆が柔らかく蒸しあがるように、あらかじめ水につけておいた大豆を大きな蒸煮釜で蒸し上げます。
125℃程度の高温で煮詰め、その後余熱で蒸らすと美味しく蒸しあがるのだそうな。
熱いうちに納豆菌の胞子がスプレーされます。納豆菌はほとんどの雑菌が死滅する100℃の環境でも生き続けることができる強い菌です。
そして、おなじみの白い容器に大豆が盛り込まれます。
発酵
納豆の発酵は、納豆菌の繁殖に理想的な室温36~40℃・湿度95%に管理された醗酵室で行われます。
発酵時間は16~20時間。温度が高すぎても低すぎても納豆特有の味・香りが生きてこないので、今ではコンピューターで室温を管理しているところが多い。
熟成
発酵を終えた納豆は、冷蔵室に移され丸一日かけて「熟成」されます。
豆の温度を5℃くらいに下げ、うまみ成分を時間をかけてゆっくり落ち着かせます。
これでようやく美味しい納豆の完成です!

けっこう大変!いろんな工程・温度管理があるんだね!
納豆の栄養
納豆菌
「納豆菌」は枯草菌(こそうきん)と呼ばれ、腸の常在菌である土壌菌の一種です。
腸の常在菌が外から入ってくると腸内細菌は仲間が入ってきたことに刺激され、働きが活発になります。
納豆菌は固いカラにおおわれているので、胃という過酷な環境下を通り抜け、生きて腸まで届くことができるのです。
腸内で善玉菌として働いて腸内環境を整え、便通促進・風邪予防にも役立っています。
殺菌作用があり、O-157を抗菌することがわかっています。
ナットウキナーゼとビタミンKという成分をつくります。
ナットウキナーゼ
血栓を溶かし、血液をサラサラにする効果があり、心筋梗塞・脳梗塞を予防します。
この効果は納豆を食べてから約8時間持続するので、夕食に食べると夜間に発症することの多い脳梗塞などを予防することができます。
ナットウキナーゼは酵素なので、熱に弱いです。熱いごはんにのせたり、納豆汁にすると熱分解して働きがこわれます。
ビタミンK
カルシウムを骨に吸着させ、骨を丈夫にします。
またケガをした時など、血液を凝固させるときに必要な成分となります。
ビタミンKは腸内細菌からも作られるので、普通の食生活なら不足の心配はありませんが、腸の働きが弱っている時や抗生物質を常用している場合は不足が考えられます。
ビタミンE
強力な抗酸化作用を持ちます。
イソフラボン
ポリフェノールの一種。ポリフェノールとは植物の水溶性の色素成分で、強い抗酸化作用があります。
イソフラボンは女性ホルモンに構造が似ていて、骨粗しょう症予防やアンチエイジングに効果的。
更年期世代は女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が低くなるので、イソフラボンの摂取を心掛けるといいですね。
イソフラボン摂取の一日当たりの目安量は、30~50mg。納豆50~60gほどで賄うことができます。
レシチン
リン脂質の一種で、動植物すべての細胞に存在しています。
細胞膜・生体膜・脳・神経などを形成する重要な成分として使われます。
細胞が栄養を摂り込むのを助けたり、血管壁から余分なコレステロールを回収するHDL(善玉コレステロール)の構成成分ともなるので、生活習慣病に役立つ成分と考えられています。
また脳神経だけでなく、脳の伝達物質にもレシチンは必要となります。
ポリグルタミン酸
カルシウムの吸収促進効果があります。
またネバネバの正体でもあります。👇
なんで納豆はネバネバしているの?
ネバネバの正体はポリグルタミン酸という成分。
納豆は蒸した大豆に納豆菌を加え、発酵させて作ります。
納豆菌は大豆に含まれるたんぱく質と糖をエサとして、ポリグルタミン酸をたくさん作ります。
ポリグルタミン酸は、うまみ成分であるグルタミン酸が長くつながったものでネバネバしています。
これとは別に糖分から分解してできたフラクタンという成分が、ポリグルタミン酸を糸のように束ねて食物繊維にし、ネバネバ度を安定させているんです。
1日1パック食べよう!と言いたいけれど
納豆は、セレンという成分が含まれていて抗酸化作用がありますが、摂りすぎると吐き気や嘔吐・肝機能不全などの中毒症状をおこすことがあります。高タンパクなので、腎臓に負担をかけたり、プリン体も多いです。
1日1パック(50g)を毎日続ける事をおススメしたいのですが、食べ物は納豆だけじゃありません。
納豆は2日に1回にして、ちがう大豆製品をとり入れましょう。

飽食の現代は、いろんな種類の食品を摂る方が栄養のかたよりを防げていいのです
納豆菌は生きている
- 冷蔵庫から出して常温にすると、再発行が進んで糸引きが悪くなり、アンモニア臭が出ておいしさがそこなわれます。さらにチロシンというジャリジャリしたアミノ酸結晶が生じて食感が悪くなります。
- 卵と混ぜて食べることは多いと思いますが、卵白に含まれるアビジンという成分が、納豆のビオチンと結合して吸収を阻害します。ですので卵を混ぜる時は、卵黄だけにしましょう。
- 冷蔵庫に長期保存をすると、白いカビのようなものが発生しますが、これはチロシンというアミノ酸の一種で、風味は悪くなりますが食べても大丈夫です。
醤油工場・造り酒屋・パン工場では、納豆を食べたり持ち込んだりすることを禁止しています。これはこうじ菌やイースト菌などが、納豆菌によって発酵に影響が出てしまうからです。
納豆の粒の大きさ
原料の大豆粒の大きさは、農林水産省の農産物規格規程によって決められています。[ふるいの目の大きさ(直径)]
- 大粒:7.9㎜(品種によって8.5㎜・9.1㎜もある)
- 中粒:7.3㎜
- 小粒:5.5㎜
- 極小粒:4.9㎜
粒の大きさは、それぞれ好みがあって、大粒だからイイとか、小粒だから上等とかいうことはありません。
ひきわり納豆の栄養
粒納豆とは別に、ひきわり納豆というのがあります。
これは製造工程が少し違っていて、栄養的にも少し違いがあります。
粒納豆は大豆をそのまま水にひたしてから煮ますが、ひきわり納豆は、まず大豆を細かく割って➡皮をのぞいてから➡水にひたして煮ます。
細かくて皮も取りのぞいているため、熱の通りが早く、発酵にかかる時間が少ないので、味や風味が粒納豆とはちがいます。
栄養価は、カリウム・リン・ビタミンB1・ビタミンE・ビタミンKがひきわり納豆に多いです。
とくにビタミンKは骨の健康をたもつビタミンです。食べやすいということもあり、子どもやお年寄りにはおすすめかもしれませんね。
それぞれの特徴を理解して、じょうずに食べ分けましょう。