お元気ですか? 苺です!
苺(いちご)と書いて、苺(まい)と読みます。
ビタミンPとは?
ビタミンPは、1937年ハンガリーの生理学者によって発見された物質です。
「P」は透過性を意味する「Permeability」の頭文字。
ですがビタミンPは、ビタミン13種類の仲間には加えられていません。
ビタミン13種類
脂溶性ビタミン4種:ビタミンA・D・E・K
水溶性ビタミン9種:ビタミンC・ビタミンB1・B2・B6・B12・ナイアシン・パントテン酸・葉酸・ビオチン
のちにビタミンPは数種類の混合物質から構成されていることが判明し、現在ではビタミン様物質(ビタミンとよく似た働きをする物質)と規定されています。
ビタミンPは、熱に弱く壊れやすいビタミンCを安定させる働きがあります。
ココからちょっとややこしい
ヘスペリジン、ルチン、ナリンジンなどを合わせた「フラボノイド(色素)」をまとめて呼ぶ場合の総称として「ビタミンP」という呼び名は使われます。フラボノイドは、体内の抗酸化作用、血圧降下、抗ガン作用などが期待できるポリフェノールの仲間です。
ポリフェノールは「フラボノイド」と「フェノール酸」の2種類に分類されます。フラボノイドは、ポリフェノールの約90%を占めている物質です。「ビタミンP」は、ビタミンCの働きを助けるフラボノイドとして活躍します。
ビタミンPの「3つ」の効果
「ビタミンP」は、
(1)毛細血管を強くする
(2)活性酸素を除去する
(3)悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を低下させる
といった効果が期待できます。
毛細血管は、体の組織のすみずみに栄養や酸素を届ける役割を担っています。そのやり取りが正常に働くよう、「ビタミンP」は、毛細血管の強化に効果を発揮します。栄養が細胞深くに届くことで、肌の改善や老廃物の排出にその力が役立っています。
なかなかイイやつじゃん!
また、活性酸素は外から侵入した細菌やウイルスを撃退する効果がある一方で、増えすぎると体の組織をサビさせ、がんなど大きな病気の原因となる心配があります。「ビタミンP」は、過剰な活性酸素を除去する働きがあるため、アンチエイジングや生活習慣量などの予防につながります。
ほ~ほ~!
さらに、「ビタミンP」を摂取することで、中性脂肪を分解して悪玉コレステロールを低下させる効果があるため、ダイエットはもちろん、心臓病や脳卒中を引き起こす動脈硬化の予防になるでしょう。
ビタミンP最強!
みかんは「袋ごと」食べるのがよい
「ビタミンP」は、果物や野菜に含まれる物質です。なかでも、柑橘系の果物には豊富に含まれています。ゆず、みかん、レモン、グレープフルーツの皮、袋、スジには多くの「ビタミンP」が入っています。みかんを食べるときは、袋ごと食べるのがよいでしょう。ゆずの皮を細かく刻んで料理に加えるのも体によさそうです。
ビタミンCの働きを助ける効果があるため、ビタミンCを含む食べ物といっしょに摂取すると美白や美肌などその効果が高まります。そして、ビタミンCと同じく水溶性であるため、体に蓄積されて過剰症になる心配がありません。しかし、不足して欠乏症になることはありません。
コエンザイムQ10
コエンザイムQ10って最近あんまり聞かなくなったよね?
ん~わからないことがまだまだ多いって事なのかな?これからの研究成果に期待!
抗酸化剤
コエンザイムQ10はエネルギーの産出に不可欠ですが、加齢とともに減少するため、サプリメントとして摂取することが老化防止につながるのではと考えられてきました。
ですが心不全やパーキンソン病の治療などにおいては、いまのところ明確な効果はでていません。
酸素の働きを助ける
コエンザイムQ10といえば、日本の企業が大量の合成に初めて成功した当初、その宣伝力もあいまって、抗酸化剤の王者のように思われていました。
老化防止の決め手となり、肌を若返らせたいという女性の心をわしづかみにしたコエンザイムQ10は、サプリメントや化粧品などにも加えられ、非常によく売れました。
コエンザイムQ10が酸化を防止し、老化を防ぐ作用があるということは朗報ですが、今のところコエンザイムQ10が皮膚の老化を防ぐかどうかについてのメタアナリシスのようなものはありません。
酸素や紫外線にふれて活性酸素ができやすい皮膚を保護するうえでは、使用して悪いという事は無いという程度でしょうか?
メタアナリシスとは? ちがった結果が出ているいくつかの研究結果について、さらに深く詳しくまとめる分析方法のこと。たとえば年齢別の結果と病気別の結果をまとめあげるなど。複雑な分析をかさねることにより、より正確な結果を出す。
雑学コーナー
コエンザイムとは、酵素のはたらきを助ける「補酵素」と呼ばれる物質です。
ミトコンドリアでエネルギーが作られる時に、それに関連する一連の酵素のはたらきを助けてくれる成分なのです。
Q10というのは「キノン(quinone)」という化学構造をもつ物質に側鎖が10個つながっていることからつけられました。
側鎖の数は動物により異なり、ヒトはQ10ですが、マウスではQ9です。
エネルギーの産出に不可欠
ブドウ糖などが分解されるとき、アデノシン3リン酸(ATP)という形でエネルギーが産生されますが、電子がミトコンドリアの膜を移動する際、その受け皿のひとつとしてコエンザイムQ10がはたらきます。
水素イオン(プロトン)は膜の内部にたまってきます。これが通路を通ってプロトンの濃度を利用してまるで水力発電のように落ちる時に、発生するエネルギーをATPに変えるのです。
この電子の移動にコエンザイムQ10が関与しています。
コエンザイムQ10は、エネルギーの産生に欠かせない成分なんです。
私たちの身体の中でエネルギーをもっとも使うのは筋肉です。
たとえば心臓の筋肉が心筋梗塞などで侵されると、エネルギーを産生できなくなり、心不全になります。
コエンザイムQ10にはエネルギー産生を高める作用があることから、心不全の患者の心筋の力を強めるために、その治療薬として使われるようになりました。
さらにコエンザイムQ10には電子をつかまえる作用もあります。
酸化されたビタミンEに電子をあたえ、これをもう一度抗酸化力のある形に変えようとするのです。
酸化はいろいろな物質を損傷しますが、もっとも重要なのは膜の酸化です。
そもそも細胞が必要とする酸素は、細胞膜を通って中に入ります。ですから膜は非常に酸化される危険があるのです。
とくに酸化力の強い活性酸素などがあると、膜を構成する脂肪酸などの脂質は酸化されて、脂質ラジカルというものになります。
これは普通に膜を通り抜けようとする酸素によってさらに酸化され、ペルオキシラジカルというものになります。これがさらに酸化された形の物質、つまり過酸化脂質になるのです。
ペルオキシラジカルの怖いのは、正常の脂質の電子を奪い、脂質ラジカルに変えて、反応をさらに持続させることです。これが続けば自動的にすべての脂質が酸化され、過酸化脂質になってしまいます。これを防いでいるのがビタミンE・Cなどです。コエンザイムQ10には、使われたビタミンEを修復する作用がありますから、脂質の参加を防ぐ有力な抗酸化剤として注目されたのです。
心不全への効果は? コエンザイムQ10は体内でも作られますが、その量は年齢とともに変化します。20歳くらいまでは心臓・肝臓のコエンザイムQ10は増加しますが、それ以降は年をとるにつれて減少していくのです。ですから老化を防ぐためには、コエンザイムQ10を摂取するとよいはずだ、という意見がでるのは当然です。まだ高齢者の運動能力を高める可能性も指摘されています。
各社が競うようにコエンザイムQ10を売りだしたり、コエンザイムQ10入りの製品を開発したりしていますが、本当にコエンザイムQ10は言われているような効果を持っているのでしょうか?
実はこれまでのコエンザイムQ10についての研究のほとんどが動物実験によるもので、ヒトにおける結果は長らく発表されませんでした。近年数多くのメタアナリシスが行われていますが、対象となる患者数が少なく、心不全・動脈硬化については結果がまちまちで、しっかりした結果がでていません。
パーキンソン病への効果は? コエンザイムQ10は、神経系の疾患に関しても抗酸化作用が期待されていました。とくにパーキンソン病への応用が検討されました。パーキンソン病はドーパミンを作る神経細胞が死滅し、ドーパミンができなくなる病気です。ドーパミン産生細胞は中脳にあり、脳のあちこちと信号のやりとりをしています。そのうちの運動を調節する部位への神経が死滅すると、そこを刺激するドーパミンが出なくなり、運動がぎこちなくなったり、動きが悪くなったりするのです。コエンザイムQ10を使った治療についての研究では、まだ効果があるという結果はえられていません。
このように考えると、コエンザイムQ10は言われているほどの老化防止作用はないように思われます。特定の臓器たとえば皮膚や粘膜・肝臓などの機能に対する影響は詳しく調べられていません。多数の研究結果を比較したデータがまだないのです。死亡率に変化がなかったということは、臓器の機能をより健康に保つ可能性がないということではありません。死亡率をさげなくても、より健康にするという事はあるのです。コエンザイムQ10はまだまだこれから研究の成果が待たれる成分です。